南側正面外観
Tapiola Apt 91-15-15.jpg
ヘルシンキの西、タピオラ地区にあるこの実験的ニュータウンは1950年代初めに計画され、アアルト、ヤコブセン、ピエッティラなどなど多くの建築家が招かれ、様々な実験住宅やモデル住宅が建てられました。アアルトによるこの7棟からなるアパート群は、岬の小高い丘の上に建てられています。図面の方位はおよその向きで、南側に扇状の広がりを持ち、雁行させることで単調になりがちな集合住宅の外観に変化を与えています。レンガに白ペイントと言う質素な仕上げですが、これも又豊かな表情を見せています。
各住戸の面積はおよその数値ですが、1960年代初頭に建設されたフィンランドの公営住宅の豊かさを実感するために算出したものです。
それにひきかえ、1960年代半ば、当時の最先端であった我が国のニュータウン計画における草分け的な愛知県高蔵寺ニュータウン、住宅公団が「決めた」住戸面積の算定基準を見てみましょう。
住戸面積=43+8(n-2)+5 43: 固定面積 n: 室数 5:共用部分
2室住宅:48㎡(1DK)
3室住宅:56㎡(2DK or 2LDK)
4室住宅:64㎡(3DK or 3LDK)
5室住宅:72㎡(4DK or 4LDK)
となり、如何に貧困な算定をしていたか、そして現在にまで悪影響を及ぼしているかがおわかり頂けると思います。ひどいものです!!!罪悪以外のなにものでもありません。