25-イマトラの教会 Vuoksenniska Church 1956〜58 A.AALTO / Imatra Finland No.1/60


北西側アプローチより
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第二次大戦後急速に工業化が進展したイマトラ地域のヴオクセニスカに計画されたこの教会は、我が国では「イマトラの教会」の呼称で親しまれていますが、「ヴオクセニスカの教会」として計画、発表されています。フィンランド名、"KOLMEN RISTIN KIRKKO" 英訳 "Church of the Three Crosses" 「三本の十字架を持つ教会」が正式な教会名と言えるでしょう。
宗教施設のみならず、社会施設としての役割を担ってきた教会、と言う点でこの教会も例外ではありません。
厚さ40cmもの可動壁によって、800席の礼拝堂は三つの空間に分割され、最前部は教会として、他の空間は多様な用途に使われるよう独特な手法で計画されています。三分割された礼拝堂、三本の矢を束ねた鐘楼、前室の三つのスカイライト、祭壇への三段の階段、等など「三位一体」を表す「三」のモチーフをこの教会の至る所に見ることが出来ます。教会建築でも極めて希な「三本の十字架」はゴルゴダの丘で磔になったキリストの物語を想起させる意図で、上記の「三」とは区別して考えた方が良さそうです。
説教壇を正面左手に置くルーテル派の方式から導き出されたアアルト独自の空間構造と基本構想は、たった一枚のスケッチに余すところ無く描かれています。
「建築、その真の姿はその中に立って、始めて理解されるものである」というアアルトの言葉の持つ意味を、全身全霊で受け入れられる空間だと思います。
アアルトの代表作を一つだけ選ぶとしたら、この教会も有力な候補となるでしょう。
by hirayama-susumu | 2005-07-17 10:52 | 25-Imatra の教会
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